新学期は体験会の予約が動きやすい時期です。ただ、体験に来てくださった数のわりに入会が伸びない、という声もよく伺います。プロタゴスクール直営11教室で長くやってきて感じているのは、入会率は体験会の当日ではなく、そのあとの1週間で決まるということです。当日に何をするかより、帰ったあとに何が起きるかを設計しているかどうか。今日は、直営校がその1週間で実際に運用していることを、そのまま書きます。すでにやっておられる先生も多いと思いますが、ひとつでも参考になればうれしいです。

01大前提:子ども本人が「通いたい」と言っているか

最初に、当たり前のことを書きます。入会率をいちばん左右するのは、施策ではなく子ども自身が「最高に楽しかった、通いたい」と思っているかどうかです。ここが弱い状態で、あとから紹介する補償や連絡を重ねても、うまくいきません。

直営校では、体験会の設計はすべてこの一点に寄せています。保護者への説明を厚くするより、子どもが帰り際に「次いつ?」と聞いてくる状態をつくるほうが、はるかに入会につながります。子どもが自分から「やりたい」と言ったタイミングで入会するのが、御家庭にとっても教室にとってもいちばん良い形です。

だから直営校では、保護者が迷っている御家庭には、無理に入会をおすすめしません。迷ったまま入会すると、最初の数か月で辞めてしまうことが多く、御家庭にとっても教室にとっても良いことがないからです。「お子さんがやりたいと言ったときに、また来てください」と伝えて、一度お戻しすることもあります。

ポイント:子どもが「通いたい」と言う状態をつくることが土台。迷っている御家庭を無理に入れないことも、長い目で見た入会率のうちです。

02体験会から1週間以内の申込には、1ヶ月全額返金補償を付ける

そのうえで、「子どもはやりたがっているけれど、保護者がもう一歩踏み切れない」という御家庭のために用意しているのが、体験会から1週間以内にお申込みいただいた場合の、1ヶ月全額返金補償です。入会して1ヶ月通ってみて、合わなければ月謝を全額お返しします。

保護者の迷いの中身は、多くの場合「本当に続くのか」です。この不安は、その場で何を説明しても消えません。実際に通ってみないとわからないからです。返金補償は、その「通ってみないとわからない」部分を教室側が引き受ける仕組みです。御家庭にとっては失うものがなくなるので、子どもが「やりたい」と言っているなら、そのまま踏み出しやすくなります。

期限を1週間にしているのは、体験の熱が残っているうちに決めていただくためです。「いつでも使えます」にすると、かえって決まりません。そして、これは迷っている御家庭を説得する道具ではありません。01で書いたとおり、子どもがやりたがっていない状態では案内しません。実際に返金までいたるケースはごくわずかで、その多くは御家庭の事情によるものです。

ポイント:返金補償は「続くかどうかの不安」を教室が引き受ける仕組み。1週間の期限が、体験の熱が残るうちに決める後押しになります。

03帰る前に、必ずLINEを交換する

体験会のあとの1週間を設計するうえで、いちばん実務的で、いちばん抜けやすいのがこれです。直営校では、体験に来られた御家庭とは、帰る前に必ずLINEを交換します。メールアドレスや電話番号ではなく、御家庭がいちばん連絡を取りやすい手段で、です。

理由は単純で、メールは開かれませんし、電話は出づらい。LINEなら、当日撮った作品の動画や写真をそのまま送れますし、御家庭からも気軽に質問が返ってきます。「入会をご検討いただくうえで、質問があればこちらにどうぞ」と伝えて交換しておくと、このあとの連絡がすべて自然になります。

逆に、ここを取り逃すと、そのあとの1週間は教室からは何もできません。御家庭からの連絡を待つだけになり、体験の熱は日ごとに下がっていきます。体験会の受付や帰り際の動線に、LINE交換を組み込んでおくことをおすすめします。

04連絡は「当日・3日後・期限の直前」の3回

LINEを交換したあと、直営校では当日、3日後、返金補償の期限が切れる直前の3回、こちらから連絡します。回数と間隔を決めておくのがポイントで、担当者の気分やタイミングに任せません。

当日は、お礼と、その日つくった作品の動画や写真をお送りします。営業の言葉は要りません。子どもが家で「見て見て」と言い出すきっかけになれば十分です。3日後は、体験の熱が少し落ち着いたところで、「お子さんはその後どうですか」という様子伺いと、返金補償の期限のご案内。そして期限の直前に、「1週間以内であれば1ヶ月の返金補償が使えますが、どうされますか」と、最後のひと押しをします。

3回目まで連絡して返事がなければ、そこで一度区切ります。追いかけ続けると、御家庭にとっても負担になりますし、01で書いたとおり、迷っているなら無理に入っていただかないほうが良いからです。「またやりたくなったら、いつでもご連絡ください」で終わります。それでも数か月後に戻ってきてくださる御家庭は、実際に少なくありません。

ポイント:連絡は当日・3日後・期限直前の3回で固定。1回目は作品の動画、2回目は様子伺い、3回目は期限のご案内。それで返事がなければ、いったん区切ります。

直営校で見えてきたこと

まとめると、直営11教室が体験会のあとの1週間でやっているのは、子どもが「通いたい」と言っていることを前提に、1週間以内の申込に1ヶ月全額返金補償を付け、帰る前にLINEを交換し、当日・3日後・期限直前の3回連絡する、それだけです。派手なことはひとつもありません。

ただ、この流れを全教室で揃えてから、体験に来られた御家庭からお返事をいただける割合は、はっきり変わりました。そして入口で「子どもがやりたいと言っている」ことにこだわった結果、在籍900名超の全体の継続率は95%、平均在籍年数も+2.4年と、入ったあとも長く通っていただけています。入会率と継続率は、別々の話ではなく、体験会のあとの1週間をどう扱うかで、両方いっしょに決まるのだと感じています。

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